梅仕事~減塩梅干の作り方(1)。

      2016/05/22

梅干1

梅干2

 
梅仕事その2、梅干です。
毎年10キロ漬けるのですが、夫婦で一年間でちょうど食べ切ります。
減塩梅干は一年を過ぎた頃から、味や色が落ちてくるので、ちょうどいい量です。
お味と保存を考えるならば、18%の塩分で漬けるのがオススメ。
できあがりは塩辛くなりますが、1年が過ぎる頃から味が落ち着き、ふくよかな味わいになります。
 
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【減塩梅干12%の作り方~塩漬けまで】~失敗しない梅干の漬け方
 
梅干用生梅 10kg (写真は完熟南高梅。梅については後述参考のこと。)
塩 1.2kg (※梅の重量に対して塩分%を計算する。)
氷砂糖800g~1kg (→4日分に分けておく。1日目の分は、フードプロセッサーなどでなるべく細かく砕いておく。)
ホワイトリカー150~200cc (→アルコール度数35度の焼酎を使うこと。)
 
※漬ける容器(プラスチックの樽など。口が広い重石を乗せられるもの。ビニール袋で漬ける場合は漬物用専用を使うこと)、落し蓋(お皿でもよい)、大きめのボウルを用意し、アルコール消毒をして乾燥させておく。
 
 
1) 梅を30分ほど水に浸して、アクを抜く。完熟または黄熟した梅のときは、水洗いのみでOK。傷みがある梅は取り除くこと。
 
2) 水洗いの後、よく乾かしてから、楊枝などでヘタを取る。ヘタからカビることが多いので、注意深く丁寧に取ります。
 
3) 大きめのボウルに、焼酎少々(分量外)と塩少々(分量のお塩から取り分け)を入れ、梅を適量(ひとつかみ分くらい)入れる。梅全体にお塩がまぶるよう、ボウルの中でゴロゴロ転がす。
※ヘタの穴が大きい場合は、焼酎をよく染み込ませ、お塩をぎゅっと詰める!
 
4) 容器の底にお塩を薄くふり、梅を隙間無くぎっちり、平らになるように詰める。一段並べたら、お塩をして、またその上に積んでいく。3)のボウルでゴロゴロと、4)の樽詰めの行程を繰り返す。
 
5) 梅の隙間に、1日目の分の氷砂糖(150~200g程度)を詰め込む。
 
6) 最後に多めのお塩をふり、お湯飲み一杯分の焼酎をかけまわす。この焼酎が呼び水になって、梅酢が上がりやすくなります。※上の画像2枚目;焼酎をかける前の様子です。
 
7) 落し蓋をし、重石をかける。埃が入らないようビニール袋などをかぶせて、涼しいところで7~10日間ほど漬ける。この間、カビが出ないか、毎日チェックすること。
※重石は、青梅の場合=梅の重量の2倍、完熟または黄熟した梅の場合=梅の重量の半分~同重量、が目安。ただし重石の加減は、梅の熟し度合いや梅の種類によって異なるので、適宜調節してください。
※梅酢が上がって、梅全体が十分浸るようになったら、重石を軽くする(梅の重量の1/4~半分もしくは梅が浮かない程度にお皿一枚、に減らす)。
 
8) 氷砂糖を4日分に分けて入れます。
初日の分150~200gはフードプロセッサーなどで砕き、梅といっしょに樽に仕込む。→5) で入れる。
漬け込みから4~5日間かけて、分量の氷砂糖をすべて入れます。
氷砂糖は直接梅に触れると、梅にシワがよるので、梅の間に入れてます。
 
このあと、赤紫蘇を入れる行程へ。
 
※減塩梅干のレシピですが、減塩でなくてもこの方法でOKです。
18%で仕込む場合は、最後の呼び水の焼酎は省略可。
カビが心配なひとは、塩分濃度にかかわらず、焼酎とお砂糖を使うことをおすすめします。

 
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■梅について;
 
青梅でもいいのですが、完熟の梅がオススメ。
梅酢が早く上がるので失敗が少なく、また皮と実がやわらかく仕上がります。
青い梅を買った場合は、室温で数日ほど追熟させて、黄色になってから使います。
傷んだ梅はカビのもとになるので、取り除くこと。→梅ジャムなどで無駄なく使いましょう。
 
■減塩で作る際の注意;
 
18%を下回ると、カビが出やすくなると言われています。
カビを防ぐポイントをまとめておきましょう。
まず、手順3) のボウルでゴロゴロ。
焼酎にくぐらせることで殺菌し、塩ずりで梅に細かな傷がついて、梅酢が出やすくなります。
ポイントその2は、氷砂糖を入れること。
お砂糖も腐敗防止の作用があるので、18%以下の場合は、少量でも入れる方がいいと思います。
かなりの量を入れるように思われるかもしれませんが、梅干になってしまうと、砂糖の甘さというよりは味に丸みが加わる感じです。
ポイントその3は、とにかく早く梅酢が上がるようにすること。
そのためには手順3)の塩ずりのほか、きちんと重石をかけること、なるべく呼び水の焼酎を入れることが大事です。
塩分15%で仕込むと、仕込みからほぼ一日で、梅酢がしっかり上がります。
もし梅酢の上がり具合がよくなかったら、樽を揺すってお塩を溶かす、お砂糖やお塩を追加投入するなどしてみてください。
梅がすっかり浸るくらいまで上がったら、重石は減らしてOKです。
むしろ、あまり重い重石をかけていると、梅がつぶれたり破れるリスクが出てきます。
梅が梅酢から出ない程度の重石にするのがよいでしょう。
 
 
 
 
梅干3

 
こんなふうにペットボトルのミネラルウォーターを重石にしています。重さがすぐわかり、調節もできるのでベンリ。
 
梅干4

 
仕込み翌日(2日目)。もう梅酢がひたひたに上がってきました。
梅酢があがっているか、重石はちょうどいいか、毎日チェックします。甘酸っぱいプラムの香りがして、毎日見るのも楽しい作業。
 
 
姑は18%で王道の梅干を作り、実家の母は8%の超減塩で作ります。
姑のは翌年以降も味が安定して、梅干らしい美味しさになり、他方、母のは塩辛さがめっきり減って、梅漬けといった印象。お茶請けにぴったりな梅干です。
わたしは12%で作りお砂糖を加えるので、塩辛さがマイルドになります。
それぞれの事情と好みに合わせた梅干、どれもみんな愛情がこもっていて美味しいです。
(2005年現在)
 
追記;
2007年2008年は、15%で仕込みました。一年経過しても味の劣化がなく、むしろ熟成して美味しくなるようです。少量を18%で仕込んだものもあるのですが、こちらはさすがに少々しょっぱい。ただ、おむすびに入れたり、梅肉として使うには、18%の方が味がシャープでいいかもしれません。
義母は梅仕事から引退し、実家の母も味の点から、12%で仕込むようになりました。(2008年現在)


 

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